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AIは営業活動をどのように変えていくか?すでに現れている5つの変化を紹介

昨今のAIの進歩にはすさまじいものがあります。去年の今頃には想像すらしていなかったことが当り前のようにできるようになっており、この波はすべてのビジネスを大きく変えてしまうことは確実と思われます。営業においてAIは効率化、パーソナライズ、精度の向上に大きな影響を与えており、「的確な相手に最適なタイミングでアプローチすること」を可能にし、さらにその実行を自動化することによって、様々な企業の営業の質を底上げしています。その具体例と現状をまとめてみました。

1.リードの発掘とスコアリングの自動化

AIは膨大なデータを分析して、見込み顧客(リード)を自動的に発見し、購買意欲の高い順に優先順位をつける(リードスコアリング)ことが可能です。たとえば、Webサイトの閲覧履歴やSNSの投稿から「今まさに困っている」顧客を特定するツールがすでに活用されています。

ある半導体商社の営業部署では数百万件の取引先データをAIで解析し、「購買可能性の高い企業」を自動で抽出。それにより、従来の人海戦術的な営業から、精度の高い営業ターゲティングへ移行しています。「確度の高い相手に集中できる」ため成約率が向上しているそうです。

2.顧客の購買行動やニーズを予測したタイムリーな提案を支援

自社商材に対する顧客の期待やニーズの高まり、いわゆる「温度感」をリアルタイムで可視化するツールがあります。営業支援AIが社内外の情報(過去の提案書、成約データ、業界ニュースなど)を分析して、「この時期に、この業種のこの担当者にアプローチすべし」といった提案をしてくれるというもの。

CRMツールにおいて世界的なシェアを持つSalesforce社、その顧客管理AIである“Einstein”は、顧客の過去の購入履歴、メールのやり取り、Webアクセス履歴などをもとに、「この顧客は近々発注する可能性が高い」等の予測を行います。営業担当者はそのインサイトを基にタイミングよく提案を行うことで機会損失を防止することができます。

3.初期対応の自動化

営業マンにとって新規客からの問合せはのどから手が出るほど欲しいもの。しかし、営業マンが少ない会社だと、担当の営業マンがたまたま休んだり出張していたりした日に問合せがあれば誰も対応できない場合があります。そうなると、相手の期待感が大きいほどこちらに対して「対応の悪いやる気のない会社」とマイナスイメージを持たれてしまう可能性があります。

そうならないように、初期の問い合わせや製品説明はAIチャットボットや音声アシスタントが対応するシステムがあります。ファーストコンタクトのチャンスを逃さない体制を構築し、営業マンはある程度「暖まった」段階から対応することとすれば、営業マンのエネルギーの無駄使いもなくなります。

4.営業トークや資料作成の支援

商談の録音や議事録をリアルタイムでAIが分析し、「次に何を話すべきか」や「相手の反応がポジティブかネガティブか」などの会話分析を提供するツールがあります。マーケティングオートメーションシステムを提供する米国HubSpot社のAI機能は、顧客の業種、属性、過去の行動をもとに、課題に応じてカスタマイズされた提案メールや資料のたたき台を自動作成します。雑務から解放されることで、営業マンは営業活動に専念できます。

5.営業活動の分析と改善

某IT会社のAIツールシステムでは、営業マンの訪問記録、商談内容、顧客の反応などをAIが分析し、成約率が高かった営業活動のパターンを抽出。その内容を他の営業マンにもフィードバックします。これにより部署全体の営業力アップが期待できます。

いかがでしょうか。AIのメリットは「自動化」と「効率化」です。中小企業においては、新規顧客の開拓から既存客のサポート、さらには営業資料作成まですべてを1人の営業マンが担当していることは少なくありません。人的リソースの問題から分業したくてもできない企業において、AIは救世主的な存在になるでしょう。

AI開発は日進月歩、半年先にはこの記事に書いてあることは当り前になり、さらに活用の範囲は広がっている可能性も十分あります。当面、AIのニュースから目が離せません。