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スケジュール調整ツールはなぜ相手の気分を悪くするのか?その理由と対策をこっそり解説

「スケジュール調整ツール」を使ったことはあるでしょうか?クラウド上に自分の空いている時間帯(スケジュール表)を公開することで、打合せ日時をその場で決定できるものです。これを使えば「打合せ可能な希望日時」をメールで2度3度とやりとりする手間を省略できるので非常に便利ですが、営業マンが初回のアポで使うと「いったい何様だ」とお客様を怒らせるケースがあります。便利なのに、なぜそうなってしまうのか?

「絶対」とは言い切れませんが、多くの人はスケジュール調整ツールそのものを嫌ってはいません。使い慣れないうちは多少抵抗を感じますが、ある程度慣れれば、そしてお互いに知った相手とならば、むしろメールでやりとりするよりもツールを使うのではないでしょうか。

お客様が「ツールそのものに抵抗を感じているわけではない」という仮説を立てるならば、気分を害している原因はツールよりもそれを使う営業マンにあると考えられます。では、以下にその理由と対策を解説します。

理由1.お客様への敬意が感じられない

一般化してきたとはいえ、スケジュール調整ツールはまだ使っていない人も多数います。相手がそのツールに慣れているかどうかを考えず、「知っていて当然」とばかりに突きつけるのは、外国に行ってその国の人に自国語で話しかけるようなものです。営業電話、営業メールを待っている人などいません。必要以上にへりくだる必要はありませんが、「お客様の時間をいただく」ことに対して、出来る限り敬意を表するべきではあるでしょう。

理由2.お客様に「自分からお願いしている」と感じさせてしまう

スケジュール調整ツールが似ているものとして思い浮かぶのは、病院や電車の予約サイトです。これは、前提としてユーザーが「自分の意思で」「利用したいから」操作します。これに対して、営業マンのアポは基本的に「営業マンがお願いしてお客様がOKしたもの」です。

スケジュール調整ツールが一般化する前、アポのスケジュール調整は営業マンからの「ご都合のよい日時をお聞かせください」から始まり、お客様が提示した日時から営業マンが選択していました。あくまで営業マンがお客様の都合に合わせていたわけです。しかし、スケジュール調整ツールは営業マンの対応可能な時間をお客様が選ぶ形になります。作業するのはお客様、営業マンは待っているだけです。ここで多くのお客様は「頼まれてOKしたのに、なぜこちらからお願いしているようなことをしなければならないのか」と感じるわけです。

対策:お客様の心理を想像して配慮する

理由1、2に共通しているのは、お客様に対する配慮が感じられない点です。もしかしたら先方はスケジュール調整ツールを知らないかもしれない、知ってはいても相手の都合に合わせさせられるようで好きではないかもしれない、といった心理を想像してみましょう。その上でこう書き添えてはいかがでしょうか。

「アポの調整にツールをご利用いただいてもよろしいでしょうか。リンク先のサイトのスケジュール表からご都合の良い日と時間帯をお選びください。お手数をおかけして大変恐縮ですが、一度のやりとりでアポ日時を確定できますのでご利用いただけますと幸いです」。

良くないのは、初回メールにもかかわらず「アポ時間をリンク先のツールからお選びください」としてURLを併記しているだけの営業メールです。そのような説明で済むのはよほど親しい間柄か、過去に何度かツールでアポを調整したことのある相手でしょう。

新規のアポはおそらくそれなりに苦労して獲得したはずです。そのアポの相手なのですから、配慮を欠いたメールで相手の気分を害しては意味がありません。

SNSを見ると、スケジュール調整ツールに腹を立てているビジネスマンの投稿に対して「古臭い考え」「何を言っているのかわからない」という意見をしばしば見かけます。しかし、現実には(やはり年配者に多いようですが)ツールからのアポ調整に抵抗を示す人は少なからずいます。相手の心情を慮ることができてこその営業マンではないですか。テンプレ文を用意しておけばいいだけの話なので、お客様を思いやった文章を添えることを今日から実行していただければと思います。